登記には公信力がない

マンションには変えられる部分とそうでない部分があります。部屋の内装などは住んでからも変えられます。けれども、窓の外の景色などは、当たり前ですが自分の力では変えられません。周囲に何があるのか、どういう建物があるのか、事前に念入りにチェックしましょう。現地に日曜日に訪れたときは静かだったので、気に入って購入した。ところが住んでみてから、工場が近くにあって平日はうるさいことに気づいた。という話もあります。気になる要素があるのなら、その疑問を解消してください。デベロッパーも周辺環境についての説明レベルには温度差があるので、自ら「あの場所は将来ビルが建つ予定があるんですよ」なんてことは言わないだろう、と考えておいてちょうどよいところだと思います。地図には「マンション建設予定地」と書いてあっても、看板がなければ現地での説明もないでしょう。だから、気になる土地があれば、その持ち主に「あの畑はつぶしたりする予定はないんですか?」と確認してみるべきです。さびれた雑居ピルなども要注意です。購入前にしておくこと聞き込み調査をしょう。マンションの周囲の住人に、「今このマンションを買おうと思ってるんですけど、この辺の環境はどうですか。この駐車場にマンションが建ったりしませんよね」と聞いてみましょう。一般的には、なかなかできないことかもしれませんが、出来る限り尋ねて歩いてください。思わぬ情報を得られることもあります。そして、あまりにも環境のリスクがある物件はやめるべきです。気に入ったマンションは諦めにくいので、人の話を聞いてもいい方向にとらえがちですが、客観的に判断しない不動産の所有者は、法務局に行くと分かります。ただし、登記には公信力がありません。「登記上の所有者」と「真実の所有者」は異なる場合があるので、登記を全面的に信用することはできない、と法的に決められているのです。もしも、登記だけを信用して不動産取引を行った結果、本当の所有者は他の人だったり、二重売買が行われてその不動産が自分のものにならなかったとしても、原則としてすべて買主の責任になってしまいます。「登記だけを信じたあなたが悪い」で済まされるということです。本当に悪い人が罰せられないとは、まったくナンセンスな法律です。それに対して処置をとろうとせず、すべて国民側に「自己責任の時代」と適当な言葉をもって押しつけてしまう行政の怠慢さには、呆れるばかりです。アメリカでは登記内容について、保険をかけることができます。